「切削」マニア論

「アトリエm4」前田さんご来訪

 

 

まいどです!ツチヤ精工 専務のタカシゲです。

 

今日は、ツチヤ精工と「atelier m4(アトリエ・エムフォオ)」さんとのご縁のお話です。

 

十数年前、弊社の初代ホームページから「こんなもの作れますか?」というお問い合わせメールがありました。
そこには真鍮の部品の設計図が添付されていたのですが、ちょうどその時期、弊社では真鍮からステンレスへ取り扱い素材の移行を進めていたのです。

どう返信すればよいのか迷いましたが、お問い合わせの内容を見た妻が「おもしろそう!やろうよ!」と一言。直感でビビッときたようです。

 

この時のメールの送信先が「アトリエm4」さんだったのです。
「アトリエm4」代表の前田大作さんは、なんと長野県で明治から100年続く江戸指物の家系「前田木藝工房」の4代目さん。

前田さんが立ち上げた「アトリエm4」では、信州カラマツなどの国産の木材を使って伝統的な手仕事で仕上げるモダンな木工家具が特徴です。

前田さんは、家具の細部にまでこだわり尽くす職人としてのプライドや情熱のある方。

その情熱が、大阪の小さな町工場・ツチヤ精工を見つけてくださったのだと思うと嬉しくなりました。

 

この1通のメールから、「アトリエm4」さんとのお付き合いが始まりました。

 

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〈弊社にご依頼いただいた部品〉

 

●ルームキーの真鍮金具

 

●仏壇の引き手

 

●家具の引き手

 

●椅子の先端キャップ

素材はジュラコン®と呼ばれるエンジニアリング・プラスチック。「先端の先を若干斜めに削ってほしい」とのご要望があり、試行錯誤しながらなんとか完成。細部のこだわりに喜んでいただけました。この椅子、海外でも展示されるそうですよ。

 

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そして今年の10月、ついに代表の前田さんと初対面を果たしました!

 

仕事で大阪に来られる予定があったそうで、前田さんの方から「工場へお邪魔させてください」とお声がけいただいたんです。

この時点で、僕も妻もテンションはマックス(笑)。なんせ、今ではすっかり「アトリエm4」さんのファンになっており、いつか家の家具をオーダーしたいという夢まであるほどです。

 

ずっとメールと電話でのやり取りだったので、十数年越しにお会いできて感無量でした。
前田さんはすごく紳士的で物腰のやわらかい方で、工場の中を熱心に見学された後、僕と妻にいろんな話をしてくださいました。

 

    

 

まず、最初のお問い合わせメールの話。当初は長野県の工房近辺の切削業者をあたって真鍮部品の相談をしたそうなのですが、どこもいい返事が聞けなかったそうで、、、

「ツチヤ精工さんは、お忙しい中快く対応してくださって。本当に本当にありがたかったです!」と、改めて感謝していただきました。

嬉しかったのは、「ツチヤさんの製品には手直しが一切いらないんです。刃物の芯もしっかり出ていて美しい。僕が何も言わなくてもバシッと仕上げてくださる、その辺にすごくシンパシーを感じます」と言っていただけたこと。

僕自身も前田さんのこだわりには共感していて、ものづくりをしている人間として通じ合えた瞬間でした。

 

 

「アトリエm4」さんのお仕事は、楽しくてやりがいがあって、僕のモチベーションなんです。
普段はあるバルブメーカーさんへ大量の製品を納品しているので、部品がどこに使われているのか知る術がないのですが、できあがった家具や小物を見れてお客様から直接ご意見が聞けるのは新しい喜びでした。

 

妻が背中を押してくれたことからスタートした素敵なご縁に、幸せを感じております。
「アトリエm4」さん、いつもありがとうございます。

 

それではまた次回!

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